心が震えた時間

 先日、米山奨学生の中国人留学生が卓話にきた。
急遽お願いした卓話だったにもかかわらず、パワポで資料を用意してくれていた。
まず、例会場にいた人を引き付けたのは、おそらく30年以上前の日本のテレビドラマのシーンをいくつか紹介した時だろう。もちろん彼が生まれる前のドラマだ。クイズ形式で何のドラマか当てるというウォームアップで例会場の雰囲気を温めてくれた。初めての卓話とは思えない出来の良さですぐに話に引き込まれた。
日本の歴史や歌舞伎、高度成長期の本やドラマに興味があり、流行ったトレンディドラマ等をみて、日本への強い憧れを抱いたそうだ。言い方が良くないが、日本人のおじさん、おばさんが喜びそうなオタクだ。

彼は高校を卒業した後、母国で2年間のアルバイト生活をして留学費用を稼ぎ、来日してからもアルバイトをしながら日本語の勉強と大学受験の猛勉強をして超難関といわれる大学に合格したという。米山奨学生となった今でもコンビニのアルバイトを掛持ちしている苦学生だ。
大学のゼミでは日中関係の研究をしていて、両国民の考え方の相違や外交のすれ違い等について考察し、その方向転換や展望についての予測をしているという。

「助けられる人から助ける人へ」というテーマで卓話をしてくれたが、経済的に困窮する人を助ける事のできる金融のプロ(公認会計士)になり、最終的にはロータリアンにもなりたいと話していた。
卓話を聞いていて、すでに奉仕の精神は備わっていると思った。こんなにも志の高い学生が日本で頑張っていると思うと心が震えた。きっとこの若者は夢を叶えるだろう。中国人の若者からとても大切なことを教わった時間だった。
日日是好日。

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